採用担当の教科書

次年度の採用に活かす!分析・考察を用いた振り返り方法とは

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就職という人生の転機に携わる採用担当者。
本企画は、「人には聞けない」「誰からも教えてもらえない」・・・
採用担当者が日々抱えているお悩みをスッキリ解決するための連載企画です。

第二弾は『はじめての新卒採用編』。
はじめて新卒採用を担当する方が向き合うことになるであろうお悩みを全8回にわたり、解決していきます。

今回は、次年度につながる振り返り方法について、ご説明します。

採用活動が終わったら、振り返ろう

採用活動中は、常に忙しく、取組みの成果を把握することが難しいものではないでしょうか。
新卒採用は、実施年度により、環境や傾向に変化がみられます。
当年度の採用活動が終了したら、次年度の採用活動に向けて、振り返りを行いましょう。

一般的には、定量的な側面と定性的な側面をもとに、下記のように振り返りは行われています。

定量的な側面の例

  • 選考プロセスの動員推移
  • 選考プロセスの予約率、合格率
  • 内定承諾率、辞退率
  • 定性的な側面の例

  • 応募動機の傾向
  • 説明会での質問内容の傾向
  • 面接合格者と不合格者の傾向
  • 定量的なデータからは読み解けない傾向を説明会アンケートや内定者へのヒアリングから抽出することで、性別などの属性や学校群、接触時期など、様々な切り口で分析することが可能になります。
    この多面的な分析こそが、振り返りでは欠かせません。

    陥りがちな誤った振り返りかたとは

    はじめての新卒採用で、はじめての振り返りをする前に、他社で陥りがちな振り返りの例をご紹介したいと思います。

    表面的な数値にとらわれ、改善点がずれてしまうケース

    たとえば、説明会参加者の1次面接予約率は70%、1次面接合格者の2次面接予約率は80%だったとします。
    これに対し、このケースにあてはまる企業は、「2次面接より1次面接の予約率が悪い。したがって、次年度は1次面接の予約率をあげよう。」などと言います。

    少し考えただけでも、
    ・2次面接予約率の80%という数値は高いのか?1次面接予約率の70%という数値は低いのか?(市場と比べてどうなのか)
    ・1次面接と2次面接の予約率は、常に一定の割合だったのか?(時期によるちがいはないのか)
    ・説明会参加者と1次面接合格者は、同じと捉えてよいのか?(属性によるちがいはないのか)
    など、考察すべき切り口が、複数思い当たります。

    振り返り時に大切なのは、定量的なデータの数値そのものではなく、なぜそうなっているのかという考察です。考察が浅いと、改善点もずれてしまいます。このケースに陥ることを防ぐには、考察の際は、複数の切り口で考えるということを意識してみてください。

    主観的な意見で終わり、改善点があやふやなケース

    たとえば、説明会参加者の1次面接予約率が、一般的な企業より低く30%だったとします。
    これに対し、このケースにあてはまる企業は「見たところ、良いなと思える学生がいなかったので、面接に参加してもらわなくても良い。」などと言います。

    成果が出ていないことに対して、目を背けたい気持ち・・・わからなくはないですが、主観的な意見では、改善点が明確になりません。

    なぜ、他の企業よりも低いのかについて
    ・説明会参加者の事前期待と説明内容がずれているということはないか?
    ・説明会での受付、司会者の対応が横柄ということはないか?
    ・説明内容が学生にとって理解しがたいものになっていないか?
    など、考察すべき切り口が、複数思い当たります。

    このケースに陥ることを防ぐには、客観的な視点で考察するということを意識してみてください。

    分析が目的になり、全てを改善点としてしまうケース

    たとえば、振り返り用の資料が100ページを超える、というような企業がこのケースにあてはまります。
    把握できる限りの全ての数値を抽出、考えられる限りの全ての切り口で分析、ありとあらゆることを改善点にする・・・一見、理想的な振り返りに見えるかもしれません。
    しかし、膨大な改善点は、計画倒れで終わってしまうことが多いようです。

    振り返りは、次年度に活かすために行うものです。
    このケースに陥ることを防ぐには、時間をかけすぎず、的を絞って行うということを意識してみてください。

    活動当初の目標に応じて振り返ろう

    どんな切り口で分析・考察するかによって、振り返りの内容は変わってきます。
    はじめての新卒採用においては、手広く問題点を洗い出すのではなく、当初の活動の目的、目標を達成出来ているのか、という点に的を絞って振り返るのをおすすめしします。

    佐藤里佳

    佐藤里佳

    横浜国立大学卒業。2008年人材総合サービス会社へ入社。人材採用・育成、組織開発の支援に携わる。 関わる人・企業の「想い」を大切に課題解決に徹してきた。現在は、ジャンプ株式会社にて、 旗を掲げてすすむ経営「フラッグマネジメント」を軸に、企業成長の支援をしている。

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