採用担当の教科書

こんな時どうする?現場と役員で採用したい人材が異なる時にやるべきこと

nayami1215-1就職という人生の転機に携わる採用担当者。
本企画は、「人には聞けない」「誰からも教えてもらえない」・・・
採用担当者が日々抱えているお悩みをスッキリ解決するための連載企画です。

第一弾は『新卒採用ベテラン編』。
数年間、新卒採用を担当した方が向き合うことになるお悩みを全8回にわたり、解決していきます。

今回は「現場と役員の採用したい人材が異なる」ことに対してお悩みの採用担当者の方に、解決のヒントをお伝えします。

現場と役員の考えが異なるのは当然

社員と役員それぞれに対して「どんな人材が欲しいか?」と聞いたところ、全く違う回答がかえってきてしまい、困った・・・このような経験はありませんか?

実際、私がお話を聞いた中で、このようなケースがありました。

採用担当者の「どんな人材が欲しいか?」という質問に対し、社員の方は「最近の若い子は、空気を読めないんだよね。先輩が忙しく動き回っているときに質問しに行ったり、挨拶もせずに帰ったり。最低でも周りの空気を読めるような子を採用して欲しい。」と回答。
一方で、役員の方は「今いる社員は、誰とでも波風を立てず上手く付き合っていける人が多い。それはとても良いことだけれども、もっと周囲の反応を気にせずに、より良いアイディアを考え、発言できるような尖った子を採用して欲しい。」と回答。

この正反対の回答を受けて、担当者の方は困り果てていました。
こんなとき、あなたならどうしますか?

『答えを選ぶ』のではなく『最適解を作り出す』

さて、社員と役員それぞれの要望を受けて、どうすればよいでしょうか。
よくある行動のひとつとして、採用担当の方が「役員がこう言っているので・・・。」と社員の方へ説明・調整してしまうというものがあります。

一見、丸くはおさまるように思える方法ですが、落とし穴があります。
それは、協力してもらった社員に不満が溜まるということです。

新卒入社の方が誰の元で仕事を覚えるかというと、受け入れを担う現場社員です。
自分の要望と全く違う部下・後輩が入社してきたら、どんな気持ちになるでしょうか・・・?

さらに、採用活動時に協力してもらう社員というのは、その会社の中で優秀な人材です。
新卒採用活動が、優秀な社員のやる気や意識を下げてしまうとしたら・・・本末転倒ですね。
経営側の判断として、強引にすすめるのは簡単ですが、受け入れ・指導するの“人”への配慮は欠かせないと言えます。

『答えを選択するのではなく、採用に関わる人たちと最適解を作り出す』
これこそが採用担当者が行うべきことだと思います。

人材要件について認識を共有する場を設けよう

まずは、採用活動に関わる人たちと、自社が採用すべき人材の要件について認識を共有する場を設ける、すなわち、求める人物像の要件決めミーティングを開催しましょう。

その場では、「どんな人材が欲しいか?」だけではなく、「どうしてそう思うのか?」という背景や理由を共有することが重要です。
なぜなら、社員の声は、現場の状況を考慮しているものの『現在見えている課題』から発せられている可能性が高いためです。
一方で、役員の声は、『将来を見据えたうえでの課題』から発せられている可能性が高いためです。

単純なことに感じるかもしれませんが、当の立場にたってみると、別の立場の人の考えを理解するというのは非常に難しいものです。
大切なのは、言葉に出して、双方の認識を共有し、そのうえで今回の採用活動ではどんな人材要件を設定すべきかをすりあわせていくことです。

結果として、どちらかの意見が選ばれることになったとしても、この場があることで、関係者は納得感を得ることができるようになります。

採用したい人材が現場と役員で異なったとき。
それは、新卒採用に対する社員の意識を高められるチャンスなのです。

長く続けているからこそ・・・時として原点回帰は重要

「何年も新卒採用に携わってきて、今さら求める人物像についてのミーティングなんて・・・。」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、就職活動の市場動向や企業のおかれている環境は、多かれ少なかれ年ごとに変化するはずです。

そんな中、『採用したい人材の要件は、常に同じ』ということに、違和感を覚えませんか?
もちろん「時代が変わっても、自社の社員には必ずこれが必要だ!」という不変的な要件はあると思います。
したがって、不変的な人材要件がある場合には、それ以外の要件について、すりあわせを行うのが良いと思います。

次回は「面接時に採るべき人材を見抜けない」というお悩みについて、お答えします。

スッキリ!採用担当者のお悩み解決室~新卒採用ベテラン編~
第一回
何を利用すればいい?ベストな母集団形成手法の見つけ方
第二回
採用したい人材からの応募が少ない。こんなときどうする?
佐藤里佳

佐藤里佳

横浜国立大学卒業。2008年人材総合サービス会社へ入社。人材採用・育成、組織開発の支援に携わる。 関わる人・企業の「想い」を大切に課題解決に徹してきた。現在は、ジャンプ株式会社にて、 旗を掲げてすすむ経営「フラッグマネジメント」を軸に、企業成長の支援をしている。

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