採用担当の教科書

中小企業が低コストで人材育成を行うために意識すべき3つのポイント

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『正論に立ち向かう!人材育成は本当に重要なのか?』で述べた通り、採用後すぐに価値を生み出すことは難しいです。

ですので、価値を発揮してもらうために“人材育成”をどの企業でも行必要がなります。
しかし、人材育成には、たくさんの課題・悩みがつきもの。

「企業が感じる人材教育訓練を進める上での課題」を調査した結果をみてみると…

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(労働政策研究・研修機構:中堅製造業における人材育成・能力開発調査結果より)

特に問題はない、と答えている企業はわずか22.9%。
実に8割近い企業が、何らかの問題を抱えていることがわかりますね。
このデータをもとに、具体的な課題を見るとともに、その解決策を紹介します。

教育訓練を施す時間が足らない(30.4%)

一番多いのは「業務が忙しすぎて、教育訓練にまで手が回らないよ!」というケース。
中小企業では優秀な社員ほど、現場に張り付いてしまっているケースが多い現実かと思います。

人材育成は「優秀な成果を出す社員」をたくさん作るために行うもの。
そのためには、優秀な社員が講師役を務めるのがベストですが、人繰りの都合上、なかなかそうはいかないことも多いですよね。

教育を施す予算が足らない(21.6%)

次いで問題になるのは、予算不足。
どの企業でも「採用には予算が割り振られているが、研修には予算がないケース」がとても多いことは、日本企業の課題と言われています。
中小企業だと「OJTしかやらないから、予算はゼロだよ!」というところも…。

従業員のやる気が乏しい(20.5%)

最後に、従業員のやる気が乏しいというケースです。
特に管理職向けの研修となると「仕事が溜まっているのに…上司の命令で仕方なく来たんだよ」という態度をする方も少なくありません。
社長からみれば「受講生がやる気にならないなら、来年から廃止するぞ!」と言いたくなりますよね。

これらの課題は、すぐに取り除けるものではありませんね。

ですが、人材育成は企業の競争力を高める為に、必須の項目と言えます。
「低コストで効果的な育成」を実現するために、具体的にどのようなことをしていけばよいのでしょうか。
今回は、中小企業が実行しやすい施策を3つご紹介します。

短時間の研修を取り入れる

まずは短時間で行うことができる「マインド面の研修」を実施しましょう。
具体的には「3時間でわかる!管理職の考え方」や「新入社員に知ってほしいPDCAとは?」といったテーマが適しています。

どうして具体的なスキルよりも、マインド面を鍛える研修のほうがよいのでしょうか。
理由は「鍛えるべき方向性を明確にするため」です。
企業の成長にとって重要なのは“無駄な努力を社員にさせない”こと。
一生懸命そろばんを勉強しても、電卓の計算速度には勝てないように、無駄な努力を続けても企業の成長には繋がりません
ですから、経営者が思い描く人材を揃えるためには、その想いを伝えていく必要があります。

また、あるべき姿や目標とするべき姿を考えさせることは、社員一人ひとりの意欲を引き出すことにも繋がります。
自社の社員に“気づき、考える”研修をすることは、費用対効果がとても高いと言えるでしょう。

効果的に外部講師を取り入れる

経営者が抱きがちな、間違った幻想があります。
それは「自社でやればコストがかからない教育ができる」というもの。
前にもお伝えしましたが、社員を使う研修は、売上を削っているのと同義です

コストがかかっても、質を担保するためには、外部研修の活用が必要不可欠といえます。
最近では定額制研修(月数万円で何回でも受講させることができる研修)や、安価でできる研修も増えてきています。
ぜひ、調査して自社に取り入れてみてくださいね。

エリート教育を取り入れる

中小企業で研修を導入する際は、必ず選抜型教育(エリート型教育)にすべきです。

誤解されがちですが、元々エリートとは「自らを犠牲にしても、組織のために努力する人材」を指す言葉です。
残念ながら中小企業では、予算の都合上、全員に高度な研修と経験を与えることができません。
だからこそ、優秀かつ組織への貢献意欲がある人材を選抜し、教育を行うことが効果的です。

選抜されただけでも嬉しいですが、そこで社長の一言を付け加えると、更に意欲を向上させることができます。
「あなたは選ばれた人材です。だからこそ、特別な研修をしたいと考えている」
という話を社長からされて、嬉しくない社員はいませんよね。
全員のやる気を奮い立たせようとするのではなく、やる気がある人材に、適切な教育を受けさせるようにしましょう。

まとめ

・スキル面(能力)ではなく、マインド面(考え方)の研修を取り入れること
・外部研修会社や外部講師を自社に取り入れること
・選抜型研修を実施し、エリートを育てること

いずれも、自社には関係ない!と考えていた人が多いのではないでしょうか。
実はこれらは最近の大手企業でのトレンドと同じ考え方と言われています。

自分たちは大手企業ではないから、大手企業とは違うやり方がある…と思われるかもしれません。
しかし、今や経営の厳しさはどの企業も同じ。
多くの企業が知恵を振り絞り、少しでも安く、効果がある人材育成を切望しています。

もちろん、OJTを疎かにしていいわけではありませんが、教育効果を高めるなら、今回ご紹介した方法をぜひ取り入れてみてください。

上田一輝

上田一輝

大学にてバイオテクノロジーを学び、首席卒業。しかし”人の力を生かし、幸せを創る”経営学に興味を持ち、転向。イオングループに入社し、人材管理・店舗マネジメントに携わる。その後独立し、講師として活動を開始。業界最年少ながら研修会社や予備校など、年150回、累計1000回の経験を持つ。また、ボードゲームを用いた研修事業「ナレッジゲームズ」も展開している。詳細はhttp://uedakazuki.com/

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