採用担当の教科書

人事ワードを分かりやすく解説!固定費・変動費について

経営者視点で考える
ニュースに良く出てくるけど、いまいちわかりづらいキーワード、ありますよね。
本記事ではそんな悩みを解決するため、サクッと読める量でわかりやすく解説してまいります。
今回のキーワードは「固定費・変動費」です!

固定費・変動費とは

固定費とは、営業量の増減に関係なく、固定で発生する費用を指します。
イメージとしては、正社員の基本給や工場の維持費用がわかりやすいかと思います。
対する変動費は、営業量の増減に応じて発生する費用を指します。
正社員のボーナス、派遣労働者の給与であったり、商品を作るのに必要な費用が該当します。

また、固定費と変動費の合計金額と、売上高が同じになった点を「損益分岐点」と言います。
この金額に売上高が達したとき、会社は“利益は出ないけど、損もしない”という状態になります。
これで解説を終わり…としたいところですが、一つご注意を。
実は「固定費と変動費には明確な基準がない」のです!

例えば「営業マンの人件費」をどうやってとらえればよいのでしょうか。
確かに正社員で雇用していれば、固定費と考えることも多いでしょう。
しかし、売上件数によってボーナスの金額も変わってくるでしょうし、たくさんの案件を抱えた結果、残業代を支払う必要が出てくるかもしれません。
これは変動費とも捉えることができませんか?

会社の発展に貢献するため変動費化に向き合う

「人件費の変動費化」という言葉をご存知でしょうか。
近年、人材業界では盛んに“人材の変動費率(費用に占める変動費の割合)を高めたほうがよい”と言われています。
理由は景気が悪化したときに、損益分岐点が低い方が赤字になりにくいからです。
その結果、大量の非正規雇用(派遣を含む)が生まれました。

さて、大局的に見たら、それは日本にとってプラスだったのでしょうか。
確かに変動費率を上げることには成功しました。
ですが、利益を稼ぐための力は高まっているのでしょうか。
優秀な人材を、非正規雇用で雇い続けることは可能でしょうか。

はっきり申し上げて、派遣社員は所詮“他の会社”に属する人間です。
ですから派遣社員に「会社への忠誠心」を誓わせること自体が、間違った考え方です。
あくまでも臨時に必要な人材を補充する目的で、派遣社員は効果的に活用するべきです。

仮に給与が低くても、正社員としてきちんと雇う。
そこで教育を施し、稼ぐ力を身につけさせ、より大きな利益を生み出してもらう。
その結果、会社が発展し、さらに人材を活用できるようになる…。
この好循環を生み出すことこそが、人事の役割だと、私は考えています。
どうか安易に“変動費率を高めるために、正社員を削減しよう”と言わないようにしていただければと思います。

上田一輝

上田一輝

大学にてバイオテクノロジーを学び、首席卒業。しかし”人の力を生かし、幸せを創る”経営学に興味を持ち、転向。イオングループに入社し、人材管理・店舗マネジメントに携わる。その後独立し、講師として活動を開始。業界最年少ながら研修会社や予備校など、年150回、累計1000回の経験を持つ。また、ボードゲームを用いた研修事業「ナレッジゲームズ」も展開している。詳細はhttp://uedakazuki.com/

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