採用担当の教科書

あなたの企業はどっち?倫理憲章を気にする企業、気にしない企業で変わる採用活動の方針

あなたの企業はどっち?倫理憲章を気にする企業、気にしない企業は何が違うのか

経団連の提唱する「採用選考に関する企業の倫理憲章」は、新卒採用活動に大きな影響を与えています。
そこでは、新卒採用活動やインターンシップが、学生の学業の妨げにならないよう、目安となる期間や内容の定義がされています。

あくまでもいち団体の提言なので、遵守するかどうかは企業の判断に委ねられていますが、多くの企業は準じた採用計画を立てています。
その一方で、倫理憲章を取り入れない、自社独自の採用方針を掲げる企業もいます。

なぜ、倫理憲章を気にする企業、気にしない企業が出てくるのでしょうか。
2社のそれぞれの傾向について、考えてみましょう。

採用時期に大きな影響を与えている倫理憲章

倫理憲章には、強制力はありません。
しかし、経団連に所属していない企業も倫理懸賞を気にしている理由は、その影響力の大きさにあります。
一番影響されているのは、採用広報開始時期、選考開始時期に関する提言でしょう。

今準備がされている2015年度採用に関しては、以下の内容で広報時期が定められています。

広報活動:卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
選考活動:卒業・修了年度の8月1日以降

経団連 採用選考に関する指針より

上記スケジュールに合わせて、リクナビ・マイナビなど大手採用ナビサイトの公開時期が予定されています。

現在、多くの企業・多くの学生が活用する大手採用ナビサイト。
この採用スケジュールに合わせて、求人企業/就活生が動くと言っても過言ではありません。
法的な強制力のない倫理憲章が、大きな影響力を与えている理由は、ナビサイトを基準とした新卒採用活動の構造にあるのです。

倫理憲章を気にする企業は従来の新卒採用がマッチしている

一度に多くの学生を採用、育成することができる。新卒採用の大きなメリットです。
従来の新卒採用の方法が自社に合っている、と考えている企業は、倫理憲章を気にした採用活動をすることになるのでしょう。

大手・中堅企業

経団連に所属している/していないに関わらず、毎年一定数の新卒採用枠がある大手・中堅企業は、倫理憲章を気にする企業の典型です。
大手就職ナビサイトを活用し、効率的に多くの学生に出会って採用する、一番効率的な採用方法です。

広いターゲットの中から採用したい企業

採用人数に関わらず、多くの学生に出会い、その中から選考をしたいと考えている企業も、倫理憲章を気にした採用活動をするでしょう。
「倫理憲章を遵守しない企業=法令遵守もしないのではないか=ブラック企業ではないか」といった、学生からのマイナスイメージを避けることができるからです。

「一度に多くの学生と出会う」といった、従来の新卒採用手法をとる企業。
そんな企業にとっては、採用活動時期と企業イメージの二つの側面から、倫理憲章を気にかけるのは自然の流れになるのでしょう。

倫理憲章を気にしない企業は狙いを定めて採用したい

倫理憲章を遵守する企業がある一方、倫理憲章が定めた広報期間や規定にとらわれず、採用活動をする企業があります。
なぜ、企業批判のリスクがうまれるような採用活動をするのでしょうか。

外資/ベンチャー企業

外資企業やベンチャー企業は、倫理憲章にとらわれず、早期から採用広報/選考をスタートさせるケースが多くあります。
それだけでなく、早期からインターンシップやセミナーを開催して、採用活動につなげている場合も。倫理憲章ではインターンシップと採用活動は分けて考えられることが推奨されてはいますが、「内定直結インターンシップ」と宣伝する企業も少なくありません。
外資・ベンチャー企業を志望する学生は、成長意欲が高い傾向にあるので、倫理憲章に準じているかどうかではなく、早期から企業と接するメリットを受け入れて参加しています。

大手ナビ以外の手法で採用する企業

インターンシップ、新卒紹介、マッチングサービスなど、大手ナビサイト以外でも学生と出会える採用サービスが増えてきました。
自社で採用するターゲットが明確な企業、ナビサイト以外の採用方法を試したいと考えている企業は、マッチするサービスを見つけて活用しています。
これらのサービスは、年間を通して運営されていることが多く、その結果、倫理憲章を気にしない採用活動につながっています。

『「どんな学生を採用したいか」「どんな採用方法を取り入れるか」といった、採用ターゲットや手法が明確な企業は、多くの求職者に合うことよりも、自社にあった人材に合うことにフォーカスしています。
そこで、採用時期のズレや企業批判のリスクよりも、もっと魅力を感じる採用戦略にたどり着いて、倫理憲章にとらわれない採用活動につながっているのでしょう。

いち企業のなかでも、対応が分かれることもある

今まで追ってきたのは、あくまでも一般的な傾向です。
企業によっては、採用活動の中で、どちらのスタンスも取り入れることもあるでしょう。

例えば、倫理憲章に準じた採用告知をしつつも、インターンシップ参加者の面接には、インターンシップ参加内容を参照するケース。

倫理憲章ではインターンシップと採用活動と関連づけることは非推奨です。
(参照:サマーインターンで内定直結ってあり?倫理憲章から考えるインターンシップのつくりかた
しかし、インターンシップ活動は、企業も学生もお互いを知るいい機会。
数時間の面接より、数日間のインターンシップで見えてきた人柄や相性を採用に反映させないのは、不自然とも言えるでしょう。

インターンシップに関するアンケート調査には、「せっかく参加したんだから、選考に評価を反映してほしい」という学生の声もあります。
インターンシップ告知段階で、選考に反映させることや内定直結型とはうたいにくくても、お互い採用に対して前向きなら評価は反映させたい、そんな企業も多くあるでしょう。

必要とされているのは、採用活動に対しての「柔軟さ」

倫理憲章は、あくまでも「学生が学業に支障のでる採用活動にならないよう、企業側が心構えるべきこと」の目安です。
絶対守らなければいけないルールでも、完璧な基準でもありません。

企業側の一方的なスケジュールは学生にとっての負担になる一方、早くに就活をしたい学生もいます。
今まで通りの採用活動/就職活動を望んでいる企業も学生もいます。

双方にとって一番いいのは、いままで一般的とされていた就職活動/採用活動について、本質的に自分が求めることを理解して、納得した方法で出会えるようになることが一番なのではないでしょうか。

あなたの会社は、倫理憲章についてどう考え、どんな方針で採用活動をしていますか?

天池知子

天池知子

2011年株式会社カケハシ スカイソリューションズ入社。 就活サイト「ミートボウル」の立ち上げ運営に携わり、学生広報を担当。 2012年「就トモCafe」の社会人バリスタとしてボランティアで運営。 現在はフリーランスとしてメディア運営・ライティングに携わる。

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