就職という人生の転機に携わる採用担当者。
本企画は、「人には聞けない」「誰からも教えてもらえない」・・・
採用担当者が日々抱えているお悩みをスッキリ解決するための連載企画です。
第一弾は『新卒採用ベテラン編』。
数年間、新卒採用を担当した方が向き合うことになるお悩みを全8回にわたり、解決していきます。
今回は「採用したい人材からの応募が少ない」とお悩みの採用担当者の方に、解決のヒントをお伝えします。
重要なのは、“ターゲット人材”の応募数
数年前までは「うちの会社は、応募数が10,000を超えています!」というように、応募数について胸を張ってお話する採用担当者の方にお会いする機会が多々ありました。
これは、過去の採用活動において、応募数がひとつの指標になっていたことを表しているのだと思います。
しかし、最近では『いかに効率良く、自社が求める人材を集め、採用するか』という視点が重視され、応募数についてお話する方は減っているように感じます。
そんな中、採用担当者の方から、よく聞くお悩みのひとつが、「応募はたくさんあるのですが、採用したい人材からの応募が少なくて・・・。」というものです。
一社ごとの採用担当者の人数も限られているので、このような悩みが出てくるのは、当然のことだなと思います。
一言に「採用したい人材からの応募が少ない」といっても、さまざまな原因があります。
今回は、大きく3つの観点で、原因と解決のヒントについて、お話します。
ケース1 ターゲット設定があいまいなケース
「どんな人材から応募がきたら、嬉しいですか?」と聞くと、「明るくて元気で、最低限の常識があれば良いです!」というようなケースが、これにあたります。
「どんな状態が“明るい”なのか。」
「どんな行動が“元気”なのか。」
「どんな“常識”が、何のために必要なのか。」
このようなケースは、上記のような質問をした際に、担当者の方自身が答えられないことが多いです。
一番良くわかっていなければならない担当者の方が答えられなければ、自社の役員や面接官、リクルーターはもちろんのこと、掲載する就職サイトや人材紹介の営業担当者、さらには大学の就職課の担当者の方などは、詳細を理解できていないということです。
この状態では、担当者の方が想定している人材からの応募を集めることは、非常に難しくなります。
まずは、担当者の方が、他人から質問を受けても答えられるレベルまで、ターゲットの要件を設定するようにしましょう。
ケース2 ターゲット設定に無理があるケース
「どんな人材から応募がきたら、嬉しいですか?」と聞くと、「自ら考えて行動ができて、TOEICは850点以上、中国語も必須で、男性が良いです!」というようなケースがあたります。
「誰が聞いても、素晴らしい人材!いいですね!」と答えたいところですが、ターゲットの人数が世の中に対して少なすぎるため、これも問題となります。
ターゲット設定を行う際には、「採用するのは、こんな人が良い!」と思うばかり、基準が高くなっていきやすく、実態にそぐわない状態になることがあります。
中途採用との違いとして、入社後(必要があれば内定後)の研修や経験で、補える要素であれば、採用時点では求めすぎないように意識することが必要です。
ケース3 ターゲットに伝えるべき内容が間違っているケース
「どんな人材から応募がきたら、嬉しいですか?」と聞くと、「独立起業を志望している人が良いです!」と言いつつも、採用HPや就職サイト上では「安定している会社」と打ち出されているようなケースが、これにあたります。
自社の強みや魅力が、ターゲットにとって強みや魅力になるかは、全く別の話です。
今回の例で言えば「社内起業制度があり、過去10年で5人が起業したという事実」や「事業計画をつくれるようになる研修制度がある」などの要素を伝えるべきです。
『ターゲットにとって、メリットになること』と『自社が伝えられる事実』が、重なっている要素を考え、伝えることが重要です。
“ターゲット人材”の応募数アップは一日にしてならず
いかがでしたか?
細かく言えば、『何を通して伝えるか』や『伝え方』なども影響しますが、今回は、わかりやすいように、ポイントを絞ってお伝えしました。
ドキッとするものがあれば、次年度の新卒採用活動に活かしてみてくださいね。
次回は「現場と役員の採用したい人材が異なる」というお悩みについて、お答えします。
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