採用担当の教科書

なぜ採用区分は必要?人事に求められる採用比率論の本質とは

経営者視点で考える
皆様こんにちは!
人材教育コンサルタントの上田です。
今回は“採用比率論”の最後に、その本質をまとめていきます。

採用比率=意思である

前回まで色々お伝えしてきましたが、採用比率を決める公式はありません。
そして、最適な答えも存在しません。
売上の推移・従業員の年齢分布・業種業態・離職率などにより、答えは無限に考えられます。
(だから私のようなコンサルタントが個別に対応していくことになるわけです)

ですが最後に重要な事を押さえてください。
それは、採用比率とはその会社の意思表示であるということです。

例として、小売業を挙げてみましょう。
一般的に、この業態は夕方のパートを中心に、雇用柔軟型で構成されている企業がほとんどです。
しかし、小売業だから必ずしも雇用柔軟型を増やさなければならないわけではありません。
全員参画経営の理念で、一人一人を高度専門能力活用グループに育て、差別化していく。
そして、そのために雇用柔軟型に任せていた仕事を自動化・外部化していく。
これも立派な人材戦略です。

入社後、区分間の移動ができる仕組みが重要

人の意思は、すぐに変わってしまうものです。
また、採用時に見極めを間違えてしまうこともあります。
ですから、入社後に区分間の移動ができる仕組みも整えておきましょう。

とはいえ、難しい制度をこしらえる必要はありません。
年1~2回の評価面談の時に今の働き方でいいのか、確認するだけでよいのです。
そこで「変えたい!」といわれたら、本人の適性を鑑みながら個別に対応しましょう。
(※あまりにも変えたいと考える人数が多い場合、どこかに制度のゆがみがある可能性が高いです)

本人の志向に合った働き方が求められる

私が今まで“採用区分”という仕組みを提唱しているのは、決して費用を削減するためではありません。
同業種の平均程度の給与であるにも関わらず利益が出ないのは、経営上の問題であり人事で解決できるものではないからです。

では、何のために採用区分が必要か。
それは、多様な価値観がある社会だからこそ、本人の志向に合った働き方ができるようにしていくためです。
そして様々な働き方ができる会社に、人は長く務めたいと思うのではないでしょうか。

お読みいただいている皆様が、すぐに人事制度全体を変えることは難しいかもしれません。
ですが将来、意思決定ができる立場になった時、ぜひ今までのことをご活用いただければ幸いです。

次回より視点を変えて、採用前に考えるべきもう1つのポイントである“採用基準”の作り方についてお伝えしていきます。

上田一輝

上田一輝

大学にてバイオテクノロジーを学び、首席卒業。しかし”人の力を生かし、幸せを創る”経営学に興味を持ち、転向。イオングループに入社し、人材管理・店舗マネジメントに携わる。その後独立し、講師として活動を開始。業界最年少ながら研修会社や予備校など、年150回、累計1000回の経験を持つ。また、ボードゲームを用いた研修事業「ナレッジゲームズ」も展開している。詳細はhttp://uedakazuki.com/

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