採用担当の教科書

【5分でわかる!】2016年卒の新卒採用スケジュール

2015-2016
『2016年卒の新卒採用スケジュールが、大幅に後倒しになる。』

今や誰もが一度は聞いたことがあるニュースだと思います。

しかし「なぜスケジュールが変更になるのか」や「変更により、自社はどのような採用活動を行なえば良いのか」については、理解しきれていない方も多いのではないでしょうか?

今回は、知っているようで知らない「スケジュール変更の背景」と「その影響」に触れながら、2016年卒の新卒採用スケジュールについて、簡単にお伝えしていきます。

2016年卒の採用スケジュール、なぜ変わるの?

2016年卒の採用スケジュールは、4ヵ月後倒しとなり、3月1日から広報開始、8月1日から選考開始になりました。これは、『就職協定』と『倫理憲章』の影響を受けたものです。

では、この『就職協定』と『倫理憲章』とは、何なのでしょうか?
これを知るには、新卒採用の歴史を知る必要があります。

新卒採用の歴史

1950年代

    • 1952年に文部省(当時)の通達により『就職協定』は始まりました。朝鮮戦争特需による人手不足により、各企業が人材確保のため採用試験の時期を早める傾向にあり、学生の向学心を守るために開始され、大学生の推薦開始は10月1日以降と定められていました。
    • しかし、1958年から始まった岩戸景気により、人手不足に陥る企業が増加。これにより、協定を守らない企業が続出。

1960年代

    • 1960年頃には『就職協定』が定める採用試験期間よりも前に優秀な学生に接触し、卒業後の入社を約束させる行為、いわゆる“青田買い”が流行しました。
    • この後、行き過ぎた状況になると、就職協定が軌道修正されるものの、水面下において活動する企業も多く、再び早期化がエスカレートするという状況を繰り返していきました。

1970年代

    • 状況が一変したのは、1972年から翌年にかけて起こった石油ショック。これにより、採用取り消しや自宅待機の学生が相次いだため、選考時期から入社時期までの間を空けすぎないよう、選考時期の繰り下げを促すことになり、1976年には「10月1日から会社訪問開始、11月1日から選考開始」という期日が定められました。

1980年代

    • 1976年に定められた期日は、1985年頃まで維持されましたが、その後も同様の傾向が繰り返されました。

1990年代

    • そして、1997年にはついに就職協定は廃止されることになりました。しかし、何らかのガイドラインは必要であるということにより、1997年から『倫理憲章』が始まりました。
    • それ以降、『倫理憲章』は毎年発表されており、就職活動時期に影響を及ぼすことになりました。
      直近、2015年卒の新卒採用の選考開始は4月1日からでしたが、選考期間のピークが4~6月になることで、学業への支障が生じるという理由から、2016年卒の新卒採用は、4ヵ月後倒しになったのです。

▼2016年卒の倫理憲章について確認したい方は、コチラからどうぞ
http://www.keidanren.or.jp/policy/2013/081.html

具体的には、どう変わるのか?

これまでお話してきたように、2016年卒の採用スケジュールは、3月1日から広報開始、8月1日から選考開始になります。前年にあたる2015年卒の採用スケジュールと比較してみると、変更点がわかりやすいですね。
2015卒と2016卒の採用スケジュール比較
株式会社リクルートキャリア「今を知る調査データ」より

企業の活動開始時期は、あまり変わらない!?

「倫理憲章」上の採用スケジュールが後倒しになったからといって、必ずしも全ての企業がそのスケジュールに沿うわけではないことは、過去の歴史からも明白です。それを顕著に現しているのが、インターンシップ実施予定の企業数です。実際、株式会社ディスコの調査では、今年度インターンを実施予定の企業は40.0%で、前年度より約10ポイント伸びていることがわかっています。

学生の学業への影響を考慮すべきと思う一方で、早期に優秀な学生と接点を持っておきたい、と各企業が考えるのは、ある意味しかたがないことなのかもしれません。

これまでと同じ採用活動では、後悔をする!

「倫理憲章」を遵守し、8月頃に選考を開始するという企業もあれば、既に学生と接点を持ち、採用につなげようとしている企業もある。

いつ活動するのが、良いのでしょうか?

私は、どの時期に活動すべきかは、個社によって異なると思っていますが、どの時期に活動するにしても、共通でおさえておかなければならないことがあると思っています。それは、“学生の心境・動き”をおさえたうえで、採用活動の全体設計をすべき、ということです。

他社に遅れをとらないようにという理由から、とりあえずインターンシップを実施することにしたものの「応募者が集まらない」「インターンシップで接点を持った学生に対して、その後どうしたら良いかわからない」などの課題が出てきてしまっている企業。こんな企業は、もしかすると企業目線の採用活動になってしまっているかもしれません。

あなたの会社はいかがですか?
採用活動は、あくまで“企業”と“学生”の両方あってのことである、ということを忘れないでくださいね。

佐藤里佳

佐藤里佳

横浜国立大学卒業。2008年人材総合サービス会社へ入社。人材採用・育成、組織開発の支援に携わる。 関わる人・企業の「想い」を大切に課題解決に徹してきた。現在は、ジャンプ株式会社にて、 旗を掲げてすすむ経営「フラッグマネジメント」を軸に、企業成長の支援をしている。

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