採用担当の教科書

選考開始前に要注目!辞退理由から学ぶ辞退防止のポイント

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就職という人生の転機に携わる採用担当者。
本企画は、「人には聞けない」「誰からも教えてもらえない」・・・
採用担当者が日々抱えているお悩みをスッキリ解決するための連載企画です。

第一弾は『新卒採用ベテラン編』。
数年間、新卒採用を担当した方が向き合うことになるお悩みを全8回にわたり、解決していきます。

今回は「選考辞退者が多い」ということについて、お悩みの採用担当者の方に、解決のヒントをお伝えします。

選考辞退は、『選考前』と『選考途中』で発生する

選考辞退は、大きくわけて、2つのタイミングで発生します。
『応募者が選考を受ける前』と『応募者が選考を受けている途中』です。
どちらのタイミングで辞退されることが多いのかによって、対策は変わります。
それぞれのタイミングの辞退理由とその対策について、これからご説明します。

選考前の辞退防止は説明会の改善から

書類選考後もしくは説明会参加後に、応募者に選考を辞退されるケースです。

このケースで多い辞退理由は

  • 同時期に受けていた他社から内定が出て、就職活動を終えることになった。
  • 同時期に受けている他社と選考日時が重なった。
  • 説明会に参加した結果、自分が思っていた会社/仕事内容と違った。
  • 説明会の雰囲気や説明会で話していた人の印象が悪かった。

というものです。

この中で特に注意したいのは、『説明会の雰囲気や説明会で話していた人の印象が悪かった』というものです。
これは、工夫すれば改善の余地がたくさんあるものなので、すぐにでも対策をとるべきです。
その際は、自社のことを何も知らない人から見たときにどのように見えるのか、話の中身はわかりやすいのか、等を客観的な視点でチェックすることが重要です。
どうしても客観的な視点で見ることができない場合には、他社の説明会を見に行ってみましょう。

就職サイトの支援会社の中には、自社の説明会をお客様に見せている会社もあるので、聞いてみると良いと思います。
また、上記以外の理由については、他社のどのあたりを良いと思ったのかを聞いたり、柔軟に日程調整をしたりすると良いでしょう。

面接官の心構えで選考中の辞退を防ぐ

1次選考後以降に、応募者に次の選考を辞退されるケースです。

このケースで多い辞退理由は

  • 同時期に受けていた他社から内定が出て、就職活動を終えることになった。
  • 同時期に受けている他社と選考日時が重なった。
  • 面接で理解を深めた、詳しく知った内容が自分の希望と合わないと感じた。
  • 面接官の態度・印象が悪かった。

というものです。

前述した『選考を受ける前に発生する辞退』と似た理由が多いのですが、
注目すべきポイントは、説明会参加後もしくは辞退を決める直前の選考までは、気になる・興味があることがあったはず、ということです。
しかし、ある選考を受けたことにより、その興味が薄れたということが言えます。

説明会で話していた人の印象が良く、期待していた応募者からすれば、少しでも態度の悪い面接官が出てきただけで、大きなギャップになるのです。
選考案内や面接日時確認の際に、応募者個々人が何に興味関心を持っているのかを少しでも把握することで、このギャップは縮められると思います。

辞退タイミングに関係なく存在する辞退理由

1)ネット上で良くない評判や噂が流れているのを目にした
最近の就職活動性の主流は、インターネットです。
インターネット上では、個人による発信により、求人情報だけではなく、選考内容も公開されているケースが珍しくなくなってきました。
その中には、良くない評判や噂も・・・。

こんなときは、たとえば、過去に従業員の残業時間が非常に長い時期があったとすれば、説明会や面接で、それに対して今行っている取り組みを話す、というように、正直に事実とそれに対する取り組みを話すことをおすすめします。
評判や噂の原因が、すべて話せるものではないかもしれませんが、不信感をうまないような対応が大切です。

2)給料、待遇、勤務地などの条件が良くない
条件面については、すぐに変えられないことが多いため、非常に難しいと思います。
特に他社のほうが良いという場合には、頭を悩ませるところです。

しかし、本当に特定の条件が最優先事項なのであれば、求人情報を見た段階で応募しなかったはずではないでしょうか?
もちろん、そこまで見ていなかった、選考途中で考えが変わったというようなこともあると思いますが、そういう応募者は多くはないと思います。

この理由の裏に隠されている最も大切なことは、給与、待遇、勤務地など、条件面で判断するしかないくらい、条件以外の魅力を伝えられていないということです。
したがって、応募者に、自社がアピールできる魅力は何なのか、そこを整理したうえで、説明会や面接の場で伝えていくことが重要だと思います。

辞退を減らすための適切なケアを心がける

選考が始まると、応募者は「自分の何を良いと思ってもらえているのか」、「自分の何が評価されているのか」という不安を抱えるようになります。

選考辞退が少ない企業は、必ずと言ってよいほど、この不安に対するケアを行っています。
具体的には、選考が終わり、合格の連絡をする際に、必ず評価した点や期待している点を伝えるようにするのです。
気になっている企業から、期待の声をかけられて嬉しくない人はいないはずです。

さらに、気がかりな点がある場合には、その際に、あえて伝えるようにしてみるのもおすすめです。
こういったコミュニケーションをとることで、最後まで選考を受けてみようと思ってもらいやすくなります。

辞退の連絡を受けてしまったときは、感謝の気持ちを伝えよう

それでも、辞退の連絡を受けてしまうこともあると思います。
連絡を受けた身としては、決して良い気分にはなれないですよね。
しかし、ここで感情に身を任せた対応をしてはいけません。

本当に自社が採用したいと思っている人材であれば、最後まで諦めることなく、口説きましょう。
何かの誤解により、判断された辞退の可能性もあります。
理由は何なのか、丁寧な姿勢で聞く耳を持ちましょう。
辞退を食い止めることはできないかもしれませんが、応募者にとっても、しっかり自分を見てくれた企業として、悪い印象は持たないはずです。

また、正直、引きとめるまでの人材ではない・・・という場合もあるでしょう。
その場合でも「これまで、あなたの貴重な就職活動の時間を当社にさいてくれて、ありがとうございました。良い就職活動になるよう願っています。」というように、感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。

企業側から見たら、何百人、何千人の一人かもしれませんが、学生さんにとっては、人生で一度きりの新卒の就職活動なのです。
さらに、今回ご縁はなくても、取引先や中途採用の応募先として、またご縁があるかもしれません。
悪い口コミ、噂を気にする前に、相手にとって良いと感じられる対応を心がけてみてくださいね。

次回は「社長(役員)面接の合格率が低い」というお悩みについて、お答えします。

佐藤里佳

佐藤里佳

横浜国立大学卒業。2008年人材総合サービス会社へ入社。人材採用・育成、組織開発の支援に携わる。 関わる人・企業の「想い」を大切に課題解決に徹してきた。現在は、ジャンプ株式会社にて、 旗を掲げてすすむ経営「フラッグマネジメント」を軸に、企業成長の支援をしている。

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