採用担当の教科書

大事な人材を逃さない!入社前からの早期離職対策について

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就職という人生の転機に携わる採用担当者。
本企画は、「人には聞けない」「誰からも教えてもらえない」・・・
採用担当者が日々抱えているお悩みをスッキリ解決するための連載企画です。

第一弾は『新卒採用ベテラン編』。
数年間、新卒採用を担当した方が向き合うことになるお悩みを全8回にわたり、解決していきます。

今回は「早期離職者が多い」とお悩みの採用担当者の方に、解決のヒントをお伝えします。

不幸な理由の早期離職を減らそう

『3年3割』と言われるように、日本では大卒新入社員の3人に1人は、入社から3年以内に離職しています。
この入社から3年以内に離職することを一般的に『早期離職』と呼びます。
日本の雇用システムが、年功序列から実力主義、成果主義へと移行している現状を考えると、早期離職は、一概に悪いこととは言えないかもしれません。
しかし、時間とお金をかけて採用した人材に、早々に離職されてしまうというのは、採用担当者にとって、辛いことだと思います。
全てとは言わないものの、せめて、企業にとっても、個人にとっても、不幸な理由の離職は少しでも減らしていけたら良いですよね。
本日は、入社前にできる早期離職の対策について、ご説明します。

早期離職の原因は、1、2年目と3年目で異なる

早期離職の理由に関する調査・アンケートは、たくさん存在していますが、その原因・きっかけは把握しにくいものだと思います。
あくまで私の考えですが、1、2年目の離職と3年目の離職の原因は、大きく異なると思っています。

3年目

  • 転職市場での価値が高まる
    人材マーケットにおいて、新卒とは異なり、基礎的なビジネス訓練を終え、初歩的な専門知識を持った人材として評価されるようになってくるのが、入社3年目頃です。周囲の友人に転職者も増え始めることで、外部マーケットでの自分の価値を認識し始めるようになります。
  • 仕事へのマンネリ感が出てくる
    1年目は周囲を見回しながら見よう見まねで無我夢中。
    2年目は多少余裕が出てきて視野が広まり、仕事の流れが掴めてくる。
    3年目は仕事だけではなく、会社の状況も把握できるようになり、新人時代には輝いて見えた上司や先輩も、人によっては「自分のほうができるかも」というような感覚になってくるのも入社3年目頃です。
    優秀で意欲の強い人ほど、「もっと成長したい」という欲求が出てきて、現状の仕事に物足りなさを感じ始めます。
    会社や上司が新たなステージにつながる仕事を提供できない場合、解決の道がなく、外部に目を向けるようになります。
  • キャリアに対する不安が生まれる
    3年勤務すると自社でのキャリアについて、イメージできるようになってきます。
    その際、「自分もあんな人になりたい」と思える尊敬できる上司や先輩が身近にいない場合、「ああなりたくない!」という思いが強くなり、自社に留まることに対する焦りを感じ始めます。

1、2年目

  • 目の前の仕事、状況が辛く、先のキャリアに目を向けられない
    慣れない社会人生活、慣れない仕事。毎日頑張っているのに、先輩・上司に怒られることもしばしば・・・そして、慣れていない分、無駄な残業も多くなり、身体も心も疲れが溜まっていきます。
    この時期は、毎日が精一杯で、前述したように無我夢中。周りが見えていないために、先のキャリアもイメージできないという状況に陥ります。
  • 自分の考えや希望と合わない
    1、2年目で担当する仕事は、「あなたでなければいけない!」と評価してもらえるものではないことがほとんどです。
    しかし、その状態が続くと「この仕事は、自分でなくてもいいのではないか?歯車のひとつになっているのではないか?」と感じ始め、「自分のやりたいことは何か?」「自分が必要とされている場所はどこか?」について意識するようになります。

入社前から長期キャリアデザインを支援しよう

前述した原因から考える、入社前に行うべきこととは、長期的な視点でのキャリアデザインを支援してあげることです。
個々人がどんなキャリアを描きたいのかを把握し、それに対して一緒に考えてあげるのです。

たとえば、「30歳までに海外赴任をしたい」と考えている人がいる場合、希望の仕事に就くまでに必要な下積み期間や仕事の内容例を伝えたり、希望の仕事を行っている先輩社員にインタビューをさせたり、とにかく理想の状態にいる相手に、現実がわかる情報を提供し、理想と現実のギャップを縮めていくのが良いと思います。

キャリアデザイン修正のため、教育担当へ引継ぎを

入社前に描いたキャリアイメージ。
しかし、入社後に実際の仕事をしてみて、本人の希望が変わるということは珍しくありません。
そんなとき、変化のタイミングに寄り添い、キャリアデザインを修正していくことが大切です。
採用担当の仕事は、採用ではなく、採用した人材が活き活きと長期的に活躍してくれることではないでしょうか。
入社前に描いたキャリアイメージがどんなものなのか、教育担当者へしっかりと引継ぐことを忘れないでくださいね。

佐藤里佳

佐藤里佳

横浜国立大学卒業。2008年人材総合サービス会社へ入社。人材採用・育成、組織開発の支援に携わる。 関わる人・企業の「想い」を大切に課題解決に徹してきた。現在は、ジャンプ株式会社にて、 旗を掲げてすすむ経営「フラッグマネジメント」を軸に、企業成長の支援をしている。

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