採用担当の教科書

ホワイトカラーエグゼンプションの是非!経営者視点で伝えたいこととは

shinsotsuikusei
今回は前回に引き続き、ホワイトカラーエグゼンプションについて、なぜ必要なのか、またどのような課題があるのかお伝えします。

規制緩和に向けてた動きとは

安倍政権になってからは、規制を緩和する目的で議論が進んでいます。
なぜなら、ホワイトカラーの付加価値は「時間単位で計測することができない」と考える人が多くなったためです。

確かに時給制ですと
・生産性が高く、定時で上がった人…基本給のみ
・生産性が低く、残って仕事をした人…基本給に残業代もつく
ということで、賃金と貢献度合いが逆転してしまいますよね

更に、デザイナーや新規営業のように、時間をかけたからといって、必ずしも成果が出ない職業もあります。
彼らにまで労働基準法による時間管理がふさわしいのか…というと、そうは言えないですよね。
そこで、ホワイトカラーエグゼンプションの導入が検討されるようになっていったのです。

反対意見も存在している

ここまで読んで、なるほど、確かになぁ。と納得された方も多いのではないでしょうか。
ですが反対意見も根強く、なかなか議論は進んでいません。
というのも、一度このように規制を緩和すると、再び規制を厳しくするのが(おもに産業界の意向によって)難しくなりがちだからです。
また、現在は「年収1075万円以上の専門職」に限定して導入する予定になっていますが、段階的に引き下げられることも考えられます。
そうすると、低賃金にも関わらずこの制度が適用され、サービス残業が増えてしまうことを懸念する声もあります。

突っ込みどころが多すぎます

いやいや、問題はそこじゃないだろ!
と突っ込まれた方も多いのではないでしょうか。
私もどうも本質がずれているように感じております。
そこで最後に、一人の経営者として意見を述べさせていただきます。

まず、ほとんどの人にとって「年収1075万円以上の非管理職」は無縁の存在です。
日本の労働者平均賃金は約400万円程度で推移しています。
仮に高い年収があったとしても、それは管理職であることがほとんど。
管理職であれば職域・職務手当を貰うかわりに、残業代はありません。
そして役員以上となると、給与ではなく役員報酬となりますから、こちらも残業代はありません。
つまり、対象となる人があまりにも狭すぎるのです。
更に、多くの場合、すでに“裁量労働制”という、残業代がつかない形で働いています。

労働基準法を改正する必要はあるのか

そもそも!
労働基準法の取り締まりを強化することが先決だと感じる人のほうが、圧倒的に多いと思います。
守られていない理由は複数ありますが、特に日本では取り締まりが緩いばかりではなく、罰則が弱いことも原因です。
(これは労働基準監督署だけの問題ではなく、国民全体の意識の問題でもあります)
さて、最後にぜひお考えください。
今わざわざ“労働者最後の砦”である、労働基準法を改正する必要はあるのでしょうか。

上田一輝

上田一輝

大学にてバイオテクノロジーを学び、首席卒業。しかし”人の力を生かし、幸せを創る”経営学に興味を持ち、転向。イオングループに入社し、人材管理・店舗マネジメントに携わる。その後独立し、講師として活動を開始。業界最年少ながら研修会社や予備校など、年150回、累計1000回の経験を持つ。また、ボードゲームを用いた研修事業「ナレッジゲームズ」も展開している。詳細はhttp://uedakazuki.com/

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